人に押されたらどうしますか? むっとして押し返したくなりますせんか? そして相手が、さらに強く押せば押すほど跳ね返したくなりますよね。
実は躾(しつけ)の時も一緒なんです。
例1)
母「宿題やったの! なんで言われないとやらないの!」
息子「うるさいな。今からやるんだよ!」
母「なに、その言い方!。やってない自分が悪いんでしょう!」
「ちょっとこっち来なさい! パチン!」
「本当にだらしない子だね」
例2)
母「ゲームばっかりやってないで、たまには手伝いしたらどうなのよ!」
娘「えー。いつもやってるじゃん!」
母「そんなじゃ、もうゲームやらせないよ!」
「手伝いも出来ない子なの、あんたは!」
娘「なんで!ちょっとまってよ!…(納得いかない、嫌な表情)」
ありがちなやり取りですね。
お互いに無駄なパワーを使っているというか、
嫌な気持ちになって、雰囲気が悪くなります。
母親からすれば
『宿題をしないで困るのはあの子だから、厳しく言う。』
『あの子のためを思って言っている。』
『何度も、何度も言っても分からない』
こういった言い分になります。
うん。
間違ってませんね。すごく正しいですね。
言っていることは間違えていないですが、
この言い方では効果が薄れてしまいます。
では、効果を期待するとき
どうすれば良いのか… 考えてみましょう。
この時の目的はなんでしょうか?
一度頭の中で考えてみてください。
どうでしょうか?
この時の目的が、怒る事になっていませんか?
本来の目的は「躾(しつけ)」だったはずです。
具体的には
例1) 宿題を忘れない。 自分で進んで宿題をできるように。
例2) 手伝いを進んでやる。 家事を一緒にして覚えてもらいたい。
こんなところでしょうか。
あくまでも例なので、いろいろあると思いますが、例として考えてください。
この時の目的を達成するためには、
怒る事でなく、理解してもらうために
どうするかだったはずです。
ですから、怒ることを我慢してください。
だって、
怒られると、反攻したくなるじゃないですか、、、
反攻されると、余計腹がたつじゃないですか、、、
それがもったいないと感じるのです。
もちろん、いつもいつも口うるさく言っているのに、
もう我慢できません!
と、おっしゃるかもしれませんが、
そこは一度我慢してリセットしてください。
怒ることで強制度具合が強まります。
でも、強制的に行動させてもあと続きしません。
お子さん自信が自分で考え、選択することが重要となります。
怒らないと変わらない…
でも、効果が薄いのは確かに…
と、思われたかたは是非続きをご連絡ください。
怒らないで効果を得るポイントは4点。
1)怒るという感情で伝えない。
以前、コラムに掲載したことがあるのですが、
怒るという第2感情で接するのでなく、
第一感情で伝えることです。
2)目標を共有します。
何かを成し遂げるためには、ゴールを意識することが大事です。
どうなることが理想で、達成できると自分も得することがある。
と、いうことを伝えて、お子さんが進んで実行できる環境をつくってあげましょう。
また、達成の仕方がお子さん自身でわからないのであれば
先輩としてアドバイスをしてあげましょう。
3)成長したら褒めてあげる。
お子さんが目標を理解し、実戦したことを評価してあげましょう。
成長は一進一退、または3歩進んで2歩下がることが常です。
成長の遅さに焦点を当てるのでなく、
少しでも成長した姿を讃えてあげましょう。
4)どうしてできない! でなく、どうすればできる。
お母様はお子さんに対しての敵でなく、
常に味方であることを意識してください。
そのためには
「どうしてできない」でなく
「どうすればできる」といった視点で
お子さんと接してください。
では、宿題の件でひとつ例を
1)怒るという感情で伝えない。
心配していることを伝える。
「○○君が、計画的に宿題をやらないと、忘れてしまうんじゃないかと
お母さんは心配なの。直前になってやると、夜遅くまでやらないと行けないし、
忘れると学校でしかられるでしょ。…」
宿題を忘れちゃだめなこと。
直前になってしまうと大変なこと。
お子さん自身、本当は知っています。
でも、怒られると反攻したくなるのです。
そして、お子さん自身、どうしたら上手くいくか分からないのも本音です。
2)目標を共有します。
次にどうあることが、お子さんにとって一番いい状況なのか
目標を明確にします。
宿題の場合…忘れないようにするのですから、
・宿題がでたら必ずメモする。
・自分が余裕をもってできる時間を考える。
(前の日にちは、やり始めるなど)
・宿題がおわったら、メモにチェックをいれる。
などです。
ここでもポイントになりますが、決しておこらない。
押しつけないことです。
ありがちなのは
「ちがう、こうするのよ! なんで、こんなことも分からないの!」
と、怒って答えを言ってしまうことです。
やり方を一緒に考えてあげてください。
3)成長したら褒めてあげる。
目標を決め、その目標を実行したら褒めてあげてください。
恐らく、最初はできる時とできない時があります。
まずは、少しでも実行できたことを褒めてあげてください。
「うん。しっかりメモできているのね、
こうしていると忘れないでいられるね。」
「今日は、予定より早くできたんだね。さすが。」
お子さん自身も褒められることで、
実行したことを客観的に感じられます。
また、認められることで「やる気」の向上にも繋がります。
4)どうしてできない! でなく、どうすればできる。
最初は上手く行かない場合もあります。
それは、予め覚悟しておいてください。
そして、
上手く行かない場合は、
「どうしてできないの!」「あれほど言ったじゃない」
と、怒るのでなく
「そうか、上手くできなかったのね、」
「じゃあ、どうすれば良かったのか考えてみよう」
と、敵でなく問題を解決してくれる『味方』として接してください。
たとえば…
母「宿題ぎりぎりになっちゃたのね」
息子「うん、ごめんわすれちゃった」
母「どうすれば良かったの?」
息子「うん、実はメモをするのをわすれちゃったんだ…」
母「そうか〜。メモの重要性がわかったんだね。」
息子「うん、今度は直にメモするようにするよ。」
母「そうだね。それは重要だね。次は忘れないように頑張ってみて!」
ここでのポイントは
・お子さまを責めない。話を聴いてあげる。
・問題を一緒に考えてあげる。
・失敗しても、報告できる環境をつくってあげる。
この3点です。
お子さんがダメだっ。と思ったとき、失敗したと思った時に
お母様に報告できる環境づくりが大切です。
そうでないと、アドバイスしてあげることすらできなくなります。
なぜなら、怒ると…「怒られるから言わない」
となり、せっかくの成長がのチャンスがなくなってしまうからです。
一番の敵は
機会損失です。
お子さんには常に成長できる機会があります。
だめなところを「だめな」点としないで
「まだまだ伸ばせるところ」と考えてみてはいかがでしょうか?
見る焦点を変えるだけでも
大きな変化を生む事が出来ます。
是非お試しください。